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2007年10月23日 (火)

あかるい箱

『みんなが何かを待っている。気持ちがあふれて海になる。』

5169rddwzwl__ss500_ 江國香織の大人のファンタジー。宇野亜喜良の描く女性は、クリムトの絵を彷彿とさせます。

派遣の若い友人が、「これはね、コワーイ絵本なの」と貸してくれました。

                                             

『私が待っているのは、転校した前の学校で、大好きだった男の子からの手紙の返事。でも、待っても待っても届きません。

お隣には、リリコさんという若くて綺麗なお姉さんが住んでいます。リリコさんの部屋には、色んな”待っている”人たちが遊びに来ます。

リリコさんが待っているのは、もうずうっと前に出て行った恋人。

リリコさんの部屋にいる待っている人々は、他の人たちには見えません。

リリコさんの部屋には時間の感覚が無く、想いが偶像化します。

待っている人たちは、待ち望んだ事が起きないと、何処へもいけず何処へも戻れないのです。

私に待ち望んだ手紙の返事が届いた時、リリコさんのお部屋はからっぽでした。』

以上が大まかなあらすじです。

                                                        

一つの恋が終わる時、自分への戒めとしてこの本を読むんだとか。リリコさんにならないために。

コワイけど、この本で救われた、と。

お話の内容はかなり抽象的で、一度読んだだけでは私の中には入ってきませんでした。

たぶん、この絵本がすっと心に響かなかったのは、私がシアワセと自分で感じているからかもしれませんね。

恋は(待つのは)楽しいけど、苦しい。

自分が何処へ行くのか。

待つことに疲れ、自分の足で出て行ける事に気が付いた時、リリコさんはあの部屋から一歩踏み出せるのでしょう。

でも、待つことは甘美。傷つかなくて済むから。

きっとリリコさんは時間の海に囚われて、甘美な波に翻弄されることを望んでいるのかもしれませんね。

リリコさんにはなりたくないけど、私も(誰でも)何かを待ってるんだと思います。

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