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2008年9月28日 (日)

その日の前に

415qpfmyorl__ss500_ 重松 清 の文春文庫からの新刊。

死にゆく妻を見送る父と子らを中心に、それぞれの中にある生と死を、そして日常の中にある幸せの意味を見つめる連作短編集。

後半は、”その日の前に”、”その日”、”その日のあとで”と短編が連結された構成になっています。前半の短編が独立したお話かと思っていたら、表題の短編に全て絡んでくるという構成。

突発的な事故や事件で家族が突然目の前から居なくなるのではなく、病気の告知によって、遠くない”その日”に向かう、それぞれの家族と本人の在り様。

重松氏はあとがきに、「生きること」と「死ぬこと」、「のこされること」と「歩き出すこと」をまっすぐに描いてみたかった、と語っています。

三編までは、通勤の友に読んでましたが、退屈な日曜の今日に、後半を一気に読み上げました。。。家で読んでよかった。。。

涙でTシャツの襟元が濡れるほど泣きました。。。メガネのレンズは、目からほとばしる涙と目脂?で読みにくいほど。。。

春に亡くなったサイトウさんとだぶってしまい、読みながら何度秋空を見上げたことでしょう。

重松氏の描く家族をテーマにした小説は、飾らず屈託がなく、身近でどこにでもいる普通の家族の喜怒哀楽を、「生と死」という重いキーワードを中心にして展開してるにもかかわらず、読んだ後に胸の中に爽やかな風が吹き込む感じがします。

”その日の前に”も映画化が決定し、11月に全国で観られるようです。

文庫本の広告の帯に、主演の南原清隆と永作博美の映画のワンシーンが載っているんですよ。

読む前に、主人公たちのイメージが頭に刷り込まれるようで、はっきり言ってがっかりでした。

読みながら、想像したいじゃないですか。こんな女性であって欲しいとか、こんな旦那さんだろうな、とか。

中学生と小学生の子を持つお母さんにしては、永作博美は若く見えすぎるもんなぁ。。。

映像は、なかなか原作を超えられないと思うんです。勿論、映画化されて、原作がもっと生き生きと蘇るような作品もあるけど。

余談ですが、”壬生義士伝”も、”メトロに乗って”も、浅田次郎氏の作品なんかは、映像よりも小説として読んだ方が心に深く沁みました。

映画はどんな作品になってるんでしょうか。

観る前に、読んで正解かな。いえ、今日のこの満足感でもう充分かも。

私の頭の中で膨らんだ主人公たちの「歩き出すこと」を想像して、”その日の前に”は完結しました。

映画はきっと観ないと思うけど、でも観た人の感想も聞きたい。そんな気もします。

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