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2008年11月25日 (火)

あるがままの君でいて

24日9時から放送されたドラマスペシャルの感想です。

新築の自宅の火事によって、家族も自分が誰かなのか、全ての記憶を失った女性。

伴侶を亡くした辛い過去を持つ同士が再婚し、幸せな家庭を築き上げていた中での不幸な出来事でした。

夫である自分すらも全く覚えていないという焦燥感を、優しい笑顔の表情で表す、堺雅人。彼の地顔が笑い顔、というのもありますが、笑顔に隠された苦しみや悲しみがその奥に潜んでいるのが想像できて、辛さがひたひたと胸に迫ってきました。

自分を忘れた妻に、無理に家族だと植え付けるのではなく、新しく出会ったこれからが始まりだと。

自分たちを愛してくれた記憶が全く無くなり、関心の無い視線を向ける”母”に、子供たちも傷ついた事でしょう。

家族が、記憶を無くしてもがき苦しんでいる今の母であり妻である女性を、そのままの状態で受け入れる事から、家族の再生が始まりました。

その難しい役どころは、薬師丸ひろ子。

実話を基にしたドラマというだけあって、過剰ではない演技が現実味に溢れていました。

自分を重ねるなら、どうだろう。。。

全く想像がつかない。

気が付いたら、異郷に居て、見知らぬ人たちに囲まれているだなんて。見ず知らずの人に、母と呼ばれ妻と呼ばれ、娘と呼ばれ姉と呼ばれ、友達だと言われる。。。

案外、記憶を無くす前の生き方や人との繋がりが、如実に現れてきそうです。

大事な人であるから、何もかも無くしたあるがままの姿で、充分に全てを受け入れられるのでしょうね。

”愛”って、育まれて新に成長していくものなんだなぁ…。

あるがままの自分?

ドラマのような、病的な健忘症とは別に、加齢による緩やかな健忘症は誰にでも平等に訪れる事。私なんか、自他共に認める”プチアルツ”なもんだから、最近自分に自信の無い事このうえなしです。

『その話、こないだも聞いた~!』と娘に言われる事も度々。。。

話は脱線したけど、思い出は思い出として、歴史はまた新しく作っていけばいいのです。

あるがままの自分を受け入れてくれる人たちと、優しい環境に任せて。

良いドラマでした。

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