流した涙は無駄にはならない
昨日は学生ピアノコンクールでした。
3月に音楽大学への進路を決めて、準備への足掛かりとしてコンクール出場することにしてから、着々とレッスンを重ね自宅でも猛練習していました。
19日にあった、声楽の先生主催のピアノ発表会では、コンクール課題曲を無難に弾き、祖父母も盛大な拍手を贈ってくれました。
その四日後のコンクール。
会場は異様な空気に包まれており、待機している学生席からは痛いほどの緊張感がひしひしと伝わってきます。
後ろに座っている私も緊張で肩が凝り、いやな汗をかいてきました。
ホールは、針一本落としても響きそうな程の緊張感に包まれた静寂…
そして、順番に演奏が始まりました。
予想通り、いえそれ以上にレベルが高く素晴らしい演奏者たちばかり。
順番を待つ学生たちの緊張感も伝わってきます。
四日前の発表会での演奏+αの緊張感で、娘も他の学生並に弾いてくれると信じ、お守り代わりに身に付けている水晶のブレスレットを手に握り締め、祈るような気持ちで娘の後頭部を見つめていました。
出だしは好調。
若干テンポがいつもより早いけど、指も滑らかに動き、直前までカイロで指を温めてた甲斐があったわ…
と胸を撫で下ろした中盤、一ヶ所指が滑ったらパニックになってしまい、未だかつて見たことのない娘の動揺と乱れ方に、思わずきつく瞼を閉じてしまいました。
最後はやけくそで演奏をなんとか終わらせ、真っ青な顔で一礼し、舞台を降りました…
自滅です。
緊張と舞台の雰囲気にすっかり飲み込まれ、普段は間違えることのない場所で滑ってしまい、立て直すことすらできないまま、最悪の演奏で終わりました。
私より後方の客席にいらした先生の隣で、会場から人が居なくなるまで泣いていました。
『悔しいよ~~!!』
あんなに練習してきたのにね……
私も辛くて辛くて鼻の奧が痛かったけど、一緒に泣くわけにいきません。
『これも良い経験よ~。他の学生は小学生からこのコンクールに出てるんだから、場馴れしてて当然なの。だからミスっても立て直せるしパニくらないの。自分の足りない部分が分かったでしょ?でも、数ヶ月の準備でこの場所に立てたんだから、頑張ったんだよ。今日がゴールじゃないんだから、あとは受験に向けて頭切り替えよう!今日流した涙は決して無駄にはならないからね!』
先生、いつも本当にありがとうございます~~(泣)
私一人では、涙でグシャグシャの娘の心に響く慰めも励ましも出来ません。特に、ピアノの事に関しては…
泣きすぎて、ホッぺや口元にジンマシンが出来た娘の顔
。

気落ちして、何処へも寄らず家に帰ると言うのかと思いきや、予定通り晩御飯は食べて帰りたいとのこと。
今日ばかりは食べたいものを遠慮なく食べさせたい。
って、4000円のイタリアンかいっ!?
ビールとオレンジジュースでお疲れ様の乾杯をしようとしたら『乾杯はしないっ!
』

そうだよね…
しかし気まずい空気も数分で、食事が始まったら泣き顔も治まり、笑顔も冗談も出てきました。
『もう、ピアノ辞めよっかな~』
えぇ~!!?
『んなわけないじゃん(笑)…でも今日だけ弱音吐かせてよ。もう明日からは言わないからさ』
…こいつ。泣かせてくれるじゃん…
思わず目頭が熱くなったら『キモッ!うるうるしてんの!?
だっせー(笑)』

ハーバーからの夜景が目に染みました。

さあ、また明日からガンバロね(≧ω≦)
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