三時間半の超大作映画”沈まぬ太陽”を観てきました。
映画が公開されてから、慌てて読んでやっと先月末くらいに読み終わり今日鑑賞することが出来ました。
読んでから観る派としては、やっぱり原作には敵わないというのが正直な感想でした。
文庫で5冊分の長編を三時間半に纏めるのは、映画化するにあたり相当割愛された感を受けたけど、やっぱり映画は映画として別物なんだなぁ。。。
ほぼ実話を元に綿密な取材をして書かれた社会派小説が、勇気ある一人の女性の手によるものであることに、尊敬の念を感ぜずにはいられません。
エンドロールを最後まで見ましたが、航空会社の協力は得てなかったようでした。
原作が週刊新潮に連載中は、当時の日本航空では週刊新潮を機内配置から外したそうです。そりゃぁそうでしょ。自社がモデルの小説なんだから。。。
大企業を私物化し私腹を肥やす経営陣と、その利権から得る甘い汁を吸い尽くす政治家たち。
読みながら「腐ってる!!生きながらコイツラ腐ってる!!」と何度憤ったことでしょう。吐き気を催すほどでした。
”正直者が馬鹿を見る”
腐った人間側から見たら、主人公 恩地 元はそう見えたのでしょうね。
頑なまでに自分の矜持を持ち信念を貫いた恩地は、世渡りや妥協、馴れ合いをことの他嫌う正義感の塊のような人。
巨大な組織の中で糺すべきことを糾したため、海外の僻地を10年にもわたってたらい回しにされた、恩地 元。
モデルになった方は既に亡くなったようですが、もしこの映画をご覧になっていたら感想を聞いてみたかったです。
山崎豊子さんはご高齢ですが、”白い巨塔”や”大地の子””華麗なる一族”などの超長編を生み出し、今もなお作家活動に意欲的な様子をテレビで拝見しました。
なんとか長生きしていただいて、願わくば(旧)国営鉄道会社を題材にした小説を書いてほしいです。特にJR西日本を題材にした小説が読みたい!!
「面白いよ~!」と職場のランチ時に吹聴したら、”沈まぬ太陽”全五巻は貸し出し予約が二人待ち。
明日持って行かなきゃ。
映画も良いけど、やっぱり原作がお勧めです
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